2006.02.14 Tuesday
水滸伝 男たちの挽歌(映画)
★★★★☆(2/15正午まで)
中国4大奇書のひとつ、「水滸伝」を映像化。忠義に厚く真面目な官吏・リンチョンと朝廷を嫌う豪快な僧・ローの出会いと友情のエピソードを、香港映画が得意とするワイヤーアクション満載で描いています。主演は、『愛人 / ラマン』で一躍国際スターとなったレオン・カーファイ。また、『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』のジョイ・ウォンが主人公リンチョンの妻役で出演しています。(GyaOより) 勧善懲悪の分かり易い二元論できっちりまとめられた一級品のエンターテイメント。とにかくワイヤーアクションの魅力全開で、見た目の楽しさが素晴らしい。古典作品の旧態依然としたストーリー構成は如何ともし難いが、この手の作品を鑑賞するときにそこに拘るのは野暮というものだろう。 それにしても、クライマックスで敵であるロケンが主人公リンチョンに言い放った言葉がなかなか小気味良い。「法は人によって作られた。神は盲目だ。」この開き直りは、意外なほど核心をついている。法など所詮は作為の産物だ。汚い彼の裏切りの背景には、こう言い放つだけの哀しみがあったのだ。まあもっとも、「ワナにかけて何が悪い」と問われて「武術への冒とく」などとズレたことを言っているリンチョンにそんな理屈が分かろうはずもなく、やはり「神は見ている」などと青臭いことを答えていたが。でも僕は、親友に裏切られ、愛する妻を殺されてなお、梁山の盗賊に与して法に反することを拒んだ彼のその青臭さも嫌いではない。 いずれにしろ、こんな小理屈は余計なことだ。この映画は、ただ飛んだり跳ねたりのアクションを楽しめればそれで良い。余計なことを考えずにポテチでも片手に鑑賞して、その夜は自分が豪傑にでもなった夢に遊ぶのがよろしかろう(笑) DVD:「水滸伝-男たちの挽歌」(本作) / 「水滸伝」(丹波哲郎が出てる) / 「水滸伝 永遠なる梁山泊 DVD-BOX -完全版-」 書籍:「水滸伝」(北方謙三著) ゲーム:「幻想水滸伝V」 / 「水滸伝・天命の誓い」 |